- 2008年12月 7日 07:56
- sensitivity | ボーデ感度 | 感度関数
抵抗/容量/オープンループ利得/帰還率...等々の素子値あるいは特性値は素子製造公差により変化します。回路の最終出力はこれらの変動により値が変化し回路設計者を悩ませる種のひとつです。感度関数(ボーデ感度)はこれらの変化率が最終出力にどれくらい影響を与えるかを示したもので、回路設計時の素子公差による出力等の変動を予測するのに有用です。いい機会なのでまとめてみました。
感度関数はボーデ(ボード)感度とも呼ばれています。1945年、米国ベル研究所のHendrik Wade Bode氏の著書"Network Analysis and Feedback Amplifier Design"で感度関数の概念を導きました。H.W.Bodeさんの名前からつけられた負帰還安定性の検証でつかうボーデ(ボード)線図は有名であり名前を聞いたことがある回路設計者は多いと思います。
感度関数はが
の関数であり
が
変化したとき
が
変化したとします。
、
は100倍するとパーセント変化です。このときの比を考えると、
...(1)
この比が小さければの変化に対して
の変化は小さいということになります。
極限において、
の偏微分であることを用います。
...(2)
(2)式より、
この式はの変化で
が
の割合でどの程度変化するかを表しています。式を表現し直すと、
...(3)
ここまでを整理すると、
は
のパーセント変化に対する
のパーセント変化の比であることが分かります。たとえば、
の結果を得た場合は
が1%変化すると
が1%変化することを表しています。
ではここで簡単な例を挙げて感度の計算をしてみます。下図は抵抗で負帰還をかけた非反転増幅器です。抵抗およびオープンループ利得がクローズループ利得に及ぼす影響を算出します。

この回路の伝達関数はオープンループ利得を、帰還率を
とすると、
に対する
の感度を求めます。(3)式より、
この結果よりの変化率は
の変化率の
だと分かります。ここでオープンループ利得:
でクローズループ利得:
だとします。帰還率:
ですので
です。この値を先ほどの式に代入すると、
増幅器のオープンループ利得が変化すると
変化することになります。
その他にも微分法の公式から違う計算方法も導かれます。この微分法の公式の両辺を
で微分すると、
先ほどの(3)式を上記の結果を見比べれば(3)式は以下のようになります。
このような使い方もある一例とお考えください。僕はこの式は殆ど使用せず、もっぱら(3)式です。
参考文献:
アナログフィルタの設計 著者 M.E.VAN VALKENBURG 監訳者 柳沢健 訳者 金井元
アクティブフィルタの設計 著者 柳沢健 金光磐
ANALYSIS AND DESIGN OF ANALOG INTEGRATED CIRCUITS 著者 PAUL R.GRAY ROBERT G. MEYER
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